院主のブログ
「また来ます。」
2024/12/12 20:00
師走になりましたが、なかなか寒くなりませんね。
下記は、12月の掲示板に掲げた言葉です。
『人生一生
酒一升
あるかと思えば
もう空(から)か』
酒飲みは、よく言うセリフですね。ビンに穴でも空いているのか?とも。 買い物好きなら、「酒一升」の代わりに「財布のお金」にしてみてください。
でも、酒は、また買えばよい。お金は足せば良いですが、もし人生の12月31日(命終)を迎えたらどうします。
「人は死ねばゴミになる」と言っていた検事がいましたが。私たち浄土真宗では、「人は死んだら仏になる」と聞いています。しかも、人間の(我が)計らい(自力)ではなく、阿弥陀様の計らい(本願力=他力)によって仏になる(往相)んです、仏様の世界(極楽浄土)で。
しかも行きっぱなしでなく、直ぐにこの娑婆世界に還ってくる(還相)んです。ゴミや草葉の陰ではなく、安楽浄土に生まれ、光明(智慧)無量、寿命無限の仏となり、ご縁の深い方々の居るこの世に還ってくる。そんな凄い計らい(はたらき)が、阿弥陀様によって準備されているのです。
人生最後、12月31日の次の日、1月1日はゴミではなく安楽浄土に生まれて、仏様のさとりの世界に加わるんです。
そして、そのこと(阿弥様の願いとはたらき)を有縁の方々に知らせるため、還ってくるのです。
そのことを、優しく、解りやすく、そして深く教えて戴く会話に出会いました。引用させて戴きます。
籠谷真智子さん著『九条武子(久敬の注:21世鏡如聖人の次女)』に、お兄様に当たる木辺派のご門主でありました木辺孝慈師(久敬の注:同鏡如聖人の次男、23世勝如上人の弟)の「妹の臨終に際して」が載っていました。関東大震災の被害者救済に身をていして病に倒れた九条武子さんの枕べでの臨終説法です。大変尊い説法ですし、往相、還相の意味がよく表されていますから、引用させてもらいます。
【 「また来ます」
「しかし最早やこの世の人としては、おわかれせねばなりませんが後生はどうでございますか、ご承知の通り助けますが如来さまのお役目、助けらるるが衆生の持ち前、どうぞお慈悲にすがってお浄土にお参りなされますように、またお浄土に参ったなればすぐ仏様のさとりを開かせていただくのであるが、仏様のさとりが開かれたとすれば、次に起こすは還相回向のはたらき、どうか再び娑婆世界に還って弥陀大悲のおいわれをお伝えなされるよう、あなたがお浄土に参ったなれば、こんどはお釈迦さまに変わらんはたらきができるのであります。
御開山聖人は御和讃に、
[安楽浄土にいたるひと 五濁悪世にかへりては
釈迦牟尼仏のごとくにて 利益衆生はきはもなし]
と、仰せられてありますから、あなたもどうぞお釈迦さまの通りになって還っていらっしゃい。お待ち申しております」
これが私の最後の言葉でありました。
九死の妹はこれに応えて「また来ます」とこういうている。この妹の「また来ます」というところには、大いなる決定心があるものと思いまして非常に嬉しく私は喜びました。 】
2025年も参拝、ご聴聞ください。
小平御坊 院主 遠山久敬
下記は、12月の掲示板に掲げた言葉です。
『人生一生
酒一升
あるかと思えば
もう空(から)か』
酒飲みは、よく言うセリフですね。ビンに穴でも空いているのか?とも。 買い物好きなら、「酒一升」の代わりに「財布のお金」にしてみてください。
でも、酒は、また買えばよい。お金は足せば良いですが、もし人生の12月31日(命終)を迎えたらどうします。
「人は死ねばゴミになる」と言っていた検事がいましたが。私たち浄土真宗では、「人は死んだら仏になる」と聞いています。しかも、人間の(我が)計らい(自力)ではなく、阿弥陀様の計らい(本願力=他力)によって仏になる(往相)んです、仏様の世界(極楽浄土)で。
しかも行きっぱなしでなく、直ぐにこの娑婆世界に還ってくる(還相)んです。ゴミや草葉の陰ではなく、安楽浄土に生まれ、光明(智慧)無量、寿命無限の仏となり、ご縁の深い方々の居るこの世に還ってくる。そんな凄い計らい(はたらき)が、阿弥陀様によって準備されているのです。
人生最後、12月31日の次の日、1月1日はゴミではなく安楽浄土に生まれて、仏様のさとりの世界に加わるんです。
そして、そのこと(阿弥様の願いとはたらき)を有縁の方々に知らせるため、還ってくるのです。
そのことを、優しく、解りやすく、そして深く教えて戴く会話に出会いました。引用させて戴きます。
籠谷真智子さん著『九条武子(久敬の注:21世鏡如聖人の次女)』に、お兄様に当たる木辺派のご門主でありました木辺孝慈師(久敬の注:同鏡如聖人の次男、23世勝如上人の弟)の「妹の臨終に際して」が載っていました。関東大震災の被害者救済に身をていして病に倒れた九条武子さんの枕べでの臨終説法です。大変尊い説法ですし、往相、還相の意味がよく表されていますから、引用させてもらいます。
【 「また来ます」
「しかし最早やこの世の人としては、おわかれせねばなりませんが後生はどうでございますか、ご承知の通り助けますが如来さまのお役目、助けらるるが衆生の持ち前、どうぞお慈悲にすがってお浄土にお参りなされますように、またお浄土に参ったなればすぐ仏様のさとりを開かせていただくのであるが、仏様のさとりが開かれたとすれば、次に起こすは還相回向のはたらき、どうか再び娑婆世界に還って弥陀大悲のおいわれをお伝えなされるよう、あなたがお浄土に参ったなれば、こんどはお釈迦さまに変わらんはたらきができるのであります。
御開山聖人は御和讃に、
[安楽浄土にいたるひと 五濁悪世にかへりては
釈迦牟尼仏のごとくにて 利益衆生はきはもなし]
と、仰せられてありますから、あなたもどうぞお釈迦さまの通りになって還っていらっしゃい。お待ち申しております」
これが私の最後の言葉でありました。
九死の妹はこれに応えて「また来ます」とこういうている。この妹の「また来ます」というところには、大いなる決定心があるものと思いまして非常に嬉しく私は喜びました。 】
2025年も参拝、ご聴聞ください。
小平御坊 院主 遠山久敬
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